橋梁点検に関する資格「橋梁点検士」「橋梁診断士」とは~研修内容と試験対策などまとめ~

どうも、ゆずぽんずちゃんです。

この記事では、国立大学法人名古屋大学橋梁長寿命化推進室、NEXCO中日本、中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社による資格、「橋梁検士」についてまとめます。

こういう少々専門的というか、マニアックな資格って検索しても公式の案内しか引っ掛からないことが多いんですよね。橋梁点検士の場合、道路橋点検士の方ばかりヒットしてしまいますしね。

僕が橋梁点検士を受験するにあたって、事前に知りたかったことや困ったことなどをまとめておきますので、受験される方は参考にしてください。

なお、類似の資格である一般財団法人 橋梁調査会の「道路橋点検士」についても以下の記事でまとめています。

橋梁点検に関する資格「道路橋点検士」とは~講習内容と試験対策などまとめ~

 

橋梁点検士・橋梁診断士とは

国立大学法人名古屋大学橋梁長寿命化推進室、NEXCO中日本、中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社が、共同で名古屋大学構内に設置した橋梁点検技術研鑽、研究用施設「N2U-BRIDGE」(呼称:ニュー・ブリッジ)を活用した研修・試験で取得することができる資格です。

2016年と2017年に、それぞれ国土交通省が定める「公共工事に関する調査及び設計などの品質確保に資する技術者資格」として登録されました。

 

国土交通省は長さ2m以上の橋とトンネルについて、5年に1回の近接目視を基本とする点検を省令で規定しました。

それ以降、コンクリート構造物の点検業務が多数発注されています。

点検をするにあたって、点検者の技術力の向上や点検結果の精度、信頼性の確保を図るため、資格が整備されています。その資格の一つとなります。

その他の資格としては技術士やコンクリート診断士、道路橋点検士など色々あります。

 

 

橋梁点検士、橋梁診断士の研修と試験

橋梁点検士を取得するには、研修を受けて、試験に合格する必要があります。

ニューブリッジにおける研修には3つのコースがあります。

橋梁保全技術研修のコース

  1. 基礎コース
    橋梁維持管理の基礎知識が学べるコースです。橋梁維持管理の知識を持たない方でも受講できます。
  2. 検査点検コース(橋梁点検士)
    国土交通省橋梁定期点検要領に基づく点検実務、詳細調査及び劣化機構の推定についてニュー・ブリッジを使用して学習できるコースです。
  3. 診断評価コース(橋梁診断士)
    橋梁の劣化予測、性能評価および補修・補強対策について学習できるコースです。

 

試験

  1. 試験の目的
    橋梁維持管理の知識・技術の保有レベルの確認のための試験で、橋梁の維持管理に関する知識を有する技術者の育成を通じて社会に貢献することを目的としている。
  2. 試験の種類
    橋梁点検士判定試験は検査点検コース、橋梁診断士判定試験は診断評価コースの受講修了者を対象とした試験で、名古屋大学から合格証が発行され橋梁点検士・橋梁診断士の資格を取得することができます。

 

研修の受講資格

基礎コース 検査点検コース 診断評価コース
レベル 橋梁維持管理の基礎知識が学べる。 橋梁点検業務に携わる技術者の方、橋梁点検実務を学びたい方などに適したコース 橋梁維持管理業務に携わる技術者の方、橋梁維持管理実務を学びたい方などに適したコース
受講資格A

※受講資格AまたはBのどちらかを満たすこと

不問 橋梁に関わる実務経験2年以上 検査点検コース修了証取得後、橋梁保全業務に関わる実務経験2年以上
受講資格B

※受講資格AまたはBのどちらかを満たすこと

不問 技術士補(建設部門)、技術士(建設部門)、土木学会1級土木技術者、土木学会上級技術者、土木学会特別上級土木技術者、土木鋼構造診断士、コンクリート診断士、コンクリート構造診断士、RCCM、道路橋点検士、岐阜大学ME

の資格のいずれかを保有していること

技術士(建設部門)、土木学会1級土木技術者、土木学会上級技術者、土木学会特別上級土木技術者、土木鋼構造診断士、コンクリート診断士、コンクリート構造診断士、RCCM、岐阜大学ME

の資格のいずれかを保有していること

受講料 9,000円 25,000円 20,000円
試験(年1回開催) なし 橋梁点検士 橋梁診断士

 

基礎コースは橋梁維持管理の基礎知識が学べます。新入社員や橋梁に最近携わり始めた方の勉強の場として良いと思います。

ある程度経験がある方は検査点検コースから受講してよいと思います。僕は基礎コースも検査点検コースも、受講しましたが、学ぶ内容はほぼ同じで、より詳細に維持管理について学ぶかどうかくらいの差でした。実務経験2年で受講しましたが、内容について難しいと感じることも特にありませんでした。

 

橋梁保全技術研修の内容

※カリキュラムは変更する場合があります。受講を希望される回の受講案内をご確認ください。

基礎コース 検査点検コース 診断評価コース
日数 2日間 3日間 2日間
1日目 「日本の橋梁の現状」
「橋梁構造の概説」
「橋梁点検の重要性」
「橋梁の変状」
「点検手法・非破壊検査機器」
「橋梁の維持管理」
(全て座学)
「日本の橋梁の現状」※
「基準の変遷」
「変状の概説」
「ニュー・ブリッジの劣化」※
「劣化機構の推定」
(「ニュー・ブリッジの劣化」は施設見学、ほか座学)
「診断の重要性と技術者倫理」
「ニュー・ブリッジの劣化」※
「構造物の性能診断の重要性」
「劣化予測~評価~判定(RC・PC)」
「劣化予測~評価~判定(鋼橋)」
(「ニュー・ブリッジの劣化」は施設見学、ほか座学)
2日目 「ニュー・ブリッジ劣化」
「点検機器の計測実習」
・鋼部材の目視点検
・ひび割れの目視点検(損傷図作成)
・点検カメラによる点検
・コンクリートの推定強度試験
・コンクリートの空洞探査(打音点検ハンマー)
・コンクリートの中性化試験
・電磁波レーダー法による鉄筋探査
・鋼部材の亀裂探傷試験
(磁粉探傷試験、浸透探傷試験)
(全て実習)
「劣化機構の推定」
「橋梁の維持管理」※
「点検手法(非破壊検査)」
「定期点検(点検要領の解説)」
「定期点検(点検調書作成)」
「点検実務(点検の着目点)」
(全て座学)
「対策工(鋼橋)」
「対策工(RC・PC)」
「道路橋の維持管理及び提示課題について班毎に討議発表」
「鋼橋の疲労きれつ及び提示課題について班毎に討議発表」
(全て座学)
3日目 「実橋の点検実習」
・損傷図作成
「非破壊検査実習」
・打音点検および赤外線カメラによる空洞探査
・コンクリートの中性化試験
・コンクリート中の鉄筋探査
・鋼部材の疲労亀裂探傷試験
「劣化機構の推定」(ケーススタディ)
(ケーススタディ以外は実習)
1)※の講義は、カリキュラムの構成上、基礎コースでも設けています。 1)※の講義は、カリキュラムの構成上、基礎、検査点検コースでも設けています。
2)事前に技術的課題の取り組みがあります。

 

 

定員

基礎コース:約30名(H30年実績)

検査点検コース:約21名(H30年実績)

診断評価コース:約35名(H30年実績)

日時

基礎コース:9月、12月頃の年2回開催(H30年実績)

検査点検コース:6月、7月、10月、11月、1月頃の年5回開催(H30年実績)

診断評価コース:5月頃の年1回開催(H30年実績)

 

橋梁点検士、橋梁診断士試験の内容

検査点検コースを修了してから約2年間、橋梁点検士試験が、診断評価コースを修了してから約2年間橋梁診断士試験を受験することができます。

試験日

試験はいずれも8月末ごろです。(H30年実績)

 

受験料

橋梁点検士受験料 10,000 円(税込)
橋梁診断士受験料 25,000 円(税込)

 

試験内容

橋梁点検士:試験は四肢択一問題25問と点検調書作成問題4問です。なお、試験問題数は変更となる場合があります。

橋梁診断士:判定試験は記述式問題 2 題です。

試験内容は、ともに研修の内容、テキストを理解することで合格できるものです。ただし、橋梁診断士は記述式であることや合格率の低さから、ある程度の事前対策が必要でしょう。

橋梁点検士は、僕は研修で配布されたテキストをパラパラと読んだ程度(とは言っても分厚い本ですが)で合格することができました。

詳しい試験問題までは記憶していませんが、何問か「こんなん知るか!」みたいな問題があったように記憶しています。

入社2年の僕(決して優れた知識など持ち合わせておりません)や、会社の後輩も難なく合格できましたので、まったくの初心者でない限り、研修に真面目に参加し、テキストを読んでいれば合格できるものと考えます。

 

合格率

橋梁点検士:75~85%程度

橋梁診断士:50%程度

※ゆずぽんずちゃん調べ

 

橋梁保全技術研修会・試験にあたっての注意点

  • 名古屋大学構内での迷子
  • 昼食
  • 応募が多すぎる

 

名古屋大学構内での迷子

研修、試験ともに名古屋大学構内で行われます。名古屋大学には名大生でもない限り、行ったことがない人ばかりでしょう。

名古屋大学は広く建物が多い上、案内が少なく感じました。初めて行った基礎コースの研修時は道に迷ったのを覚えています。

少し早めに会場に向かうことと、下調べしておくことをおすすめします。

 

昼食

会場は名古屋大学内のため、名古屋大学の食堂を使う人が多いです。当然学生が多くいますのでとても混み合います。

早めに食堂に向かうか、持参することをおすすめします。

 

応募が多すぎる

「公共工事に関する調査及び設計などの品質確保に資する技術者資格」として登録されて以来、非常に多くの応募があります。これに対して定員が少ないため、応募開始直後に満員となります。

(現在は開催数が増えているので以前ほどではないかもしれません)

と応募情報をタイピングする速さが必要になります。メモやワードなどで予め入力項目を書いておき、コピペで応募するのがいいと思います。

 

試験対策、予習に以下の書籍がおすすめです。

そんなわけで。アデュー。

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